スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

確定していない判決に基づいて損害賠償金を支払う?渋谷区

宮下公園国賠は2015年9月17日に東京高等裁判所第2民事部で判決が言い渡され、渋谷区が上告をせず確定している。

それにも関わらず、渋谷区の幹部職員がいいかげんなことを言っているらしい。

全都実残党が公開している映像を紹介する。

渋谷区、ナイキとの違法契約強硬継続「判決確定していない」!?

この渋谷区の職員の発言は事実に全く合致していない。なぜなら渋谷区は宮下公園国賠で損害賠償金を原告に支払っているからだ。

「支出負担行為」によれば金13万8027円を相手方代理人の弁護士に払うための決裁を2015年10月13日にしていることが分かる。

W1024Q100_2015年10月19日宮下公園公園国賠支払命令書_PAGE0000

摘要によれば■損害賠償請求控訴事件(原審■)の損害賠償金との記載がある。

「支払額調書」である。

W1024Q100_2015年10月19日宮下公園公園国賠支払命令書_PAGE0001

「支払い額積算」である。

W1024Q100_2015年10月19日宮下公園公園国賠支払命令書_PAGE0002

元本が11万円で遅延損害金が28027円で合計13万8027円になったことが分かる。

渋谷区は判決に不服なら最高裁に上告をすればいいのになぜ損壊賠償金を払ったのか。

損害賠償金は払っても、判決は確定してないと言い張るのが渋谷区なのか。
スポンサーサイト

宮下公園国賠控訴審判決文

2015年9月17日宮下公園国賠の控訴審の判決があり、渋谷区の控訴棄却という判決が出た。判決文を入手したので個人情報を一部伏せ字にした上で公開する。

平成27年9月17日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 本間美和
平成27年(ネ) 第2104号 損害賠償請求控訴事件
(原審・東京地方裁判所平成23年(ワ)第13165号)
口頭弁論終結日 平成27年8月20日

判決

東京都渋谷区宇田川町1-1
控訴人       渋谷区
上記代表者区長 長谷部 健
上記指定代理人 山田   幸男
同          小池   浩三郎
同          後藤   健志
同          中谷   ゆかり
同          島田   直子

東京都●●●●●●
被控訴人     ●●●●
上記訴訟代理人弁護士 山本 志都
同              戸舘 圭之

主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第1 控訴の趣旨
 1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
 2 被控訴人の請求を棄却する。

第2 事案の概要
 1 特別地方公共団体である控訴人は、自らが設置・管理する都市公園法(都公法)上の公園である渋谷区立宮下公園(宮下公園)の命名権(ネーミングライツ)を株式会社ナイキジャパン(ナイキ)に売却し、宮下公園の整備工事を行う計画(本件計画)の一環として、平成22年9月15日、宮下公園で起居していたホームレスである被控訴人を公園から退去させ、同月24日、公園内に残置されていた物件を行政代執行により撤去した(本件代執行)。

 本件は、被控訴人が宮下公園を活動拠点としていた団体(権利能力なき社団)らとともに原告となり(以下、両者を併せて「一審原告ら」という。)、①被控訴人を宮下公園から強制排除した控訴人の行為は違法である、②本件計画は議会の議決を経ていない等の違法があり、本件計画を実施することを目的に、平成22年9月24日に行われた本件代執行はその違法性を継承する、③本件代執行は弁明の機会が付与されておらず違法であり、これらの違法行為により一審原告らが宮下公園で居住・活動する権利等を侵害されたと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、所有物件の物的損害及び慰謝料等並びにこれに対する違法行為日(被控訴人が退去させられた平成22年9月15日)から支払済みまで民法所定金5分の割合による遅延損害金の支払を請求した事案である。

2 原審は、被控訴人の請求については、控訴人が、被控訴人の意に反し、被控訴人を無理やり担ぎ上げて宮下公園から退去させたことは、国家賠償法上違法であるが、本件代執行は、被控訴人が本件代執行が行われる以前に宮下公園内に残置された被控訴人所有の物件に関する所有権を放棄しているから、本件代執行が被控訴人との関係で違法とならないとして、被控訴人を公園から退去させられたことの慰謝料として10万円及び弁護士費用1万円並びにこれに対する遅延損害金の支払請求を認容した。また、被控訴人以外の一審原告らの請求については、控訴人とナイキとの間で契約(本件契約)を締結したことについて、地方自治法(地自法)96条1項9号、同法234条2項に違反した違法があるが、その違法性は本件代執行に承継されず、その他これらの一審原告らとの関係では本件代執行が違法であるとは認められないとして、これらの請求をいずれも棄却した。

3 前提事実並びに争点及び争点に対する当事者の主張は、4に当審における控訴人の主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の2から4までに記載のとおりであるから、これを引用する。

4 当審における控訴人の主張

(1) 被控訴人の退去の違法性について
 ア 原判決は、被控訴人を無理矢理担ぎ上げたことを直接強制であり、違法であると判断したが、同判決は「担ぎ上げ」という一部のみを取り上げており、被控訴人の安全確保のためには「担ぎ上げ」もやむを得なかった、それまでの行為態様等を考慮していない点において、事実誤認がある。
 すなわち、控訴人の職員の山中昌彦(山中)は、被控訴人に立入禁止区域であることを何度も説明し、退去を促し、同人の手が手すりから離れた後、同人は自らの足で歩き、その後警備員らに担ぎ上げられている。被控訴人の説得にかけた時間は15分51秒間、同人が自ら歩いた時間は46秒間、同人が担ぎ上げられた時間は約23秒間であり、しかも、被控訴人は坂道で右足のバランスを崩しており、警備員らはそれを支えるようにして、しかも、扉付きガードフェンスにつまずかないよう、被控訴人を担ぎ上げていた(乙74、77)。したがって、かかる担ぎ上げは、主として、被控訴人の安全確保のためなされたと解するのが相当であって、これを捉えて直接強制とするのは不当である。

イ また、被控訴人の退去に係る業務に瑕疵があるか否かは、①工事の公共性の有無、②路上生活者の無権原性、③路上生活者の権利侵害の程度、④工事の手続面、⑤代替措置の提供、⑥他の適法な手段を採ることの困難性等の要素が考慮すべきである(最高裁平成14年9月30日決定・刑集56巻7号395頁参照)。
 本件では、①傷んだ高木の倒伐を防ぐための公園の植栽剪定作業等という工事の公共性があり、②被控訴人は都公法6条に違反して宮下公園を占用等していたものであり、③本件の「担ぎ上げ」には正当な理由があり、しかも、その時間はわずか約23秒間であって、その権利利益の侵害の程度は高くない、④控訴人によってホームレスに対する相談会及びテント等の除去等に関する勧告等がされていた、⑤ホームレスに対する相談会が行われていた、⑥被控訴人の退去の際は、宮下公園は一部利用禁止となっており、退去命令により被控訴人を直ちに退去させなければ、同人が公園内に閉じ込められたり、工事による傷害等の危険があり、また、前記アのとおり「担ぎ上げ」には正当な理由があった。したがって、業務の正当性ないし必要性があり、民法上の正当防衛又は自救行為として許される。

ウ 原判決は、控訴人の職員らの行為には、緊急性、相当性と判断したが、被控訴人の退去に際して同人を担ぎ上げた控訴人職員らの行為には、次のとおり緊急性及び相当性があり、判断に誤りがある。
 宮下公園の地盤は、保水能力が元々低かったところ、平成22年は猛暑で、宮下公園内の樹木の痛みが激しく、高木が倒伏し たり枯れ枝が園外に落下したりするおそれがある危険な状態であった。そのため、公園を一部計指して、直ちに公園の植栽剪定作業をすべきであったところ、「被控訴人の退去」が行われた平成22年9月15日朝は、公園の植栽剪定作業を行うための宮下公園一部閉鎖作業が既に始まっており、被控訴人が公園内に留まることは非常に危険であり被控訴人の身体の安全のために退去が必要であったから「緊急やむを得ない事情」があった。
 また、被控訴人の「担ぎ上げ」は、主として、被控訴人の安全確保のためにされたという正当な理由があり、しかも、その態様も、被控訴人が扉付きガードフェンスにつまずかないよう、当該フェンスを通過する前後のわずか約23秒間の担ぎ上げであり、被控訴人の安全確保のため必要な限度である。また、「被控訴人の退去」を全体として考察すれば、被控訴人は警備員に体を任せており、穏当なものと評価されうるから、「相当性の範囲を逸脱」していない 。

(2) 地自法96条1項9号違反について
 原判決は、本件契約の締結は議会による議決を経ていないから、地自法96条1項9号に違反した違法があると判断するが、被控訴人の当該主張は、財務会計上の行為の違法を主張するもので、地自法242条の2所定の住民訴訟でなければおよそ争い得るものではないものである。
 また、本件契約は、控訴人が(ネーミングライツという、控訴人の普通財産(地自法238条1項5号及び同条4項)を、ナイキに対して、10年間使用させ、その対価として、ナイキは、控訴人に対して、公園を整備して引き渡すとともに毎年度1700万円を支払うという内容であり、控訴人がナイキにネーミングライツを使用させる義務と、ナイキが上記使用に対して公園整備・引渡しを行い、毎年度1700万円を支払う義務は対価的均衡の関係にあるのであって、賃貸借契約類似の無体財産権に係る有償双務契約である。普通財産を貸し付けることは地自法上認められており(地自法238条の5第1項)、「適正な対価」を得た貸付けでもあるから、本件契約は、地自法96条1項9号違反は生じない。

(3)地自法234条2項違反について
 原判決は、本件契約は、随意契約の方法によることができないにもかかわらず、これに拠ったから、地自法234条2項に違反した違法があると判断した。 しかし、被控訴人の、本件契約は、地自法234条2項に違反する」との主張は、財務会計上の行為の違法を主張するもので、地自法234条の2所定の住民訴訟でなければおよそ争い得るものではない。
 また、本件契約は、「収入」を得ることのみを主目的にネーミングライツについての賃貸借契約類似の契約を締結したものではなく、ナイキの地域貢献による公園設備の整備及び公園の維持管理の充実という目的(本件契約1条)のもと、ナイキというスポーツ分野における世界的な企業としてのブランド、知名度、既に26カ所のバスケットボールコートを寄贈したノウハウ等を活用した、公園全体をスポーツ施設を中心とした形態に再整備する計画であり、公園の価値向上が大いに期待できる性質・内容の契約であり、本件契約を締結するに当たっては、公正性、経済性等を確保し得るという選考過程を経た。
 これらの本件契約の種類、内容、性質、目的等諸般の事情を考慮すれば、本件契約は、地自法施行令167条の2第1項2号に掲げる「その性質又は目的が競争入札にてきしないものをするとき」に当たるというべきものであって、契約担当者に裁量判断の逸脱又は濫用の違法はないから、地自法234条2項に違反することはない。これを違法とした原判決には、本件契約に対する評価及び地自法234条2項の解釈の誤りがある。

第3 当裁判所の判断

1 当裁判所も、控訴人の職員らが被控訴人をその意思に反して担ぎ上げて宮下公園から退去させたことは退去命令を直接強制した違法があり、原判決が認容した限度で被控訴人の控訴人に対する慰謝料請求等は理由があると判断する。その理由は、以下のとおり改め、2に当審における控訴人の主張に鑑み判断を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する判断」のうち、被控訴人に関する記載のとおりであるから、これを引用する。

(1)原判決25頁3行目の「原告●●の退去」の次に「(以下のかっこ内の時間は、当該場面を撮影したDVD(乙74)のカウンター表示である。)」を加え、8行目「取り囲んだ。」から18行目末尾までを次のとおり改める。「取り囲んだ(3分00秒~4分38秒)。山中が立入禁止区域であると被控訴人に伝えたところ、被控訴人が逃げようとしたために、警備員らは再度被控訴人を取り囲むとともに、山中は被控訴人の肩に手を添えるなどしつつ6番ゲートの外に誘導しようとした(4分39秒~5分19秒)。誘導中、被控訴人が座り込もうとしたため、山中は、被控訴人のズボンのベルトの背中側部分をつかみ、これを妨げた(5分20秒~8分29秒)。被控訴人はなおも座りこもうとしたため、山中は被控訴人の両脇をかかえ、これを妨げた(8分30秒~9分10秒)。被控訴人は、近くにあった手すりに左腕をかけた上、両手の指を組んだところ、山中は、控訴人の職員1名と2人がかりで被控訴人の指の間にゆびを入れる等して両手を離させた(9分11秒~14分33秒)。その後、警備員4名が各々被控訴人の両肩及び両足をつかんで担ぎ上げた状態で6番ゲートの外に移動した上、被控訴人は降ろされた(14分34秒~14分43秒)。被控訴人は更に警備員らに促されて公園の外部につながる5番ゲートの方向に向かって歩いて行った(14分44秒~15分29秒)。被控訴人は、5番ゲートの手前に至った所で、再び警備員らに担ぎ上げられ、5番ゲートを通過して公園の外の公道まで運ばれ、同所で降ろされた(15分30秒~15分54秒)。当時、宮下公園の第6ゲート及び第5ゲートには、それぞれ扉付きガードフェンスが設けられており、その出入口扉の下部には目測で地面から高さ十数センチメートルの框(かまち)状の構造物があり、同所を通過するためにはこれを跨いで通行する必要がある(甲88、89、乙71、74、75)。」

(2)原判決29頁25行目及び30頁12行目の各「原告」を「一審原告ら」と改める。

2 当審における控訴人の主張について
(1) 被控訴人の退去の違法性について
 ア 控訴人は、被控訴人を宮下公園から退去させるに際して被控訴人を担ぎ上げたことについて、担ぎ上げの前に控訴人の職員(山中)が被控訴人に対して立入禁止区域であることを説明し退去を促していた経緯があったこと、担ぎ上げは、歩行のバランスを崩しそうになった被控訴人が扉付きガードフェンスにつまずかないように安全確保のために行ったことから、直接強制には当たらない旨の主張をする。
 しかしながら、前認定の事実関係によれば、宮下公園の6番ゲートを通過するためには扉付きガードフェンス出入口の下部の構造物を跨いで進行する必要があったこと、被控訴人は宮下公園からの退去を拒み、6番ゲート手前でも腕を手すりにかけるなど抵抗しており、被控訴人は少なくとも自己の意思で出入口から退出しようするような様子はなく、警備員4名が被控訴人の両肩及び両足をつかんで担ぎ上げて出入口の構造物上を通過し、6番ゲートの外で被控訴人が降ろされたこと、その後被控訴人は5番ゲート手前でも再度担ぎ上げられて同様に出入口の構造物上を通過して5番ゲートの外で降ろされたことが認められる。このように、被控訴人の退去の様子を撮影したDVDを視聴する限りでは、被控訴人は上記各ゲートを自己の意思で通過する意思がなかったために、各ゲートを通過するために控訴人の職員らが被控訴人を担ぎ上げて同所を通過し、被控訴人を公園から退出させたものと認められるのであり、この担ぎ上げ及び担ぎ上げに伴ってされた被控訴人の場所的移動は、控訴人の被控訴人に対する退去命令の内容を実現するものであって、かつ、被控訴人の意思に反するものであるから、直接強制に当たるというほかないものである。そして、被控訴人を担ぎ上げたことについて、控訴人において安全確保の意図が含まれていたとしても、そのことで直接強制に該当するとの評価が左右されるものではないというべきである。

イ また、控訴人は、被控訴人を担ぎ上げたことについて、業務の正当性ないし必要性があり、民法上の正当防衛又は自救行為として許されるとも主張するが、控訴人の被控訴人に対する退去命令について、その実施のために対象者の意思に反して直接有形力を行使してその内容を実現することの実定法上の根拠が認められない以上、民法上の正当防衛や法律上許容された自救行為に当たる余地はない(控訴人の掲記する最高裁判例は事案を異にするものである。)。

ウ さらに、控訴人は、被控訴人を担ぎ上げたことについて、緊急性、相当性が認められ、違法性がないとも主張するが、倒木、枝の落下等の危険や被控訴人の安全確保といった事情は、被控訴人を公園から退去させる必要性として理解できても、そのために被控訴人を担ぎ上げて公園から排除する必要があるといえるほどの緊急性を基礎づけるものにはなりえない。また、相当性があるとして控訴人が指摘する各事情についても、被控訴人を担ぎ上げたこと自体が法律上許されない直接強制に該当するものであるから、担ぎ上げの態様につき、時間が短かったり、有形力の作用が必ずしも暴力的なものでなかったりしたとしても、これらが違法であることの評価を左右する事情にはならない。

エ したがって、控訴人のこの点の主張は採用できない。

(2)地自法96条1項9号違反及び同法234条2項違反に関する主張について

 控訴人は、これらの規定違反の主張は住民訴訟でしか主張できず、また、本件契約の締結についてはこれらの規定違反はない旨の主張をする。
 しかしながら、原審においては、上記規定違反による違法の問題は、その違法が後行する本件代執行に継承されて本件代執行も違法となるいう主張の前提問題であったところ、被控訴人の関係では、本件代執行が行われる以前に宮下公園内に残置された被控訴人所有の物件に関して被控訴人が所有権を放棄していたことから、本件代執行が被控訴人との関係で違法となるとは認められないとして、本件代執行が違法であることに基づく被控訴人の物的な損害に係る主張が排斥されたものである。そうすると、控訴人の当該主張に係る地自法上の法律問題は、もっぱら被控訴人以外の一審原告らとの関係でのみ取り扱われるべき問題であり、被控訴人との間では関係がない。そして、控訴人の上記主張で取り上げられている法律問題の結論がどのようなものであっても、被控訴人の請求に対する判断を何ら左右するものではないから、控訴人の上記主張は、本件(被控訴人との関係)においては、失当である。
 以上から、控訴人のこの点の主張も採用できない。

3 そうすると、被控訴人の請求を一部認容した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

東京高等裁判所第2民事部

裁判長裁判官 柴田 寛之
    裁判官 梅本 圭一郎
    裁判官 坂本 浩志

宮下公園国賠陳述書

渋谷区の宮下公園国賠控訴に対してのじれんの代表者から出された陳述書です。一部伏せ字部分があります。

陳述書

渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合
黒岩大助●●●●

2015年8月19日

 去る2015年3月13日、渋谷区立宮下公園での渋谷区による強制排除・撤去について渋谷区を被告とした損害賠償請求事件について渋谷区を被告とした損害賠償事件について東京地裁より判決が言い渡された。元宮下公園テント生活者である●●●●さんに対する渋谷区の強制排除の違法性を認め、11万円の損害賠償金の支払いを命じるとともに、そもそもの発端であるナイキ化計画が地方自治法に基づいて議会の議決を経ていないこと、競争入札をしなかったこととして渋谷区の宮下公園ナイキ化におけり行為に違法性があったことを認めた、私は一審原告のひとりであり、渋谷で野宿者支援の活動を行っている、渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(「のじれん」)のメンバーであるが、渋谷区のナイキ化計画が野宿者排除を目的のひとつとしていたことから、計画発覚以降反対してきた。そのナイキ化計画の破綻が明らかになった現在、渋谷区は宮下公園に新たな整備計画を押し進めようとしている。

 この新宮下公園整備計画は、本件一審係争中の昨年より本格的に浮上した。夏には公募がかけられた。今年の3月11日、三井不動産が事業主として選定されたと発表された。敷地内に3階建ての商業施設と駐車場を建設して屋上部分を公園とし、さらに、原宿側敷地に17階建ての高層ホテルを建て、三井不動産が30年の定期借地契約で建設費を負担するというのが計画の内容である。三井不動産は公募によって決まったとされるが、渋谷区新庁舎の建設も三井不動産であり、渋谷区との癒着が指摘されている。3月の区議会都市環境委員会では、都市計画法で公園内の建物を地上2階までと制約していることもあり、手法や計画の内容に疑問の声が噴出し、全会一致で継続審議となり、議員の改選があるため、基本協定締結条例案は事実上廃案となった。
 
 法律的にも極めて大きな問題があるこの整備計画は、公共の場所、公園の商業化であり、ナイキ化計画を大規模に発展させたものである。これらの計画は当時の桑原区長のトップダウンにより進められたものだが、今年4月、その後継者として当選した長谷部新区長は、区議時代ナイキ化計画を強力に推進してきた人物である。この9月にも区議会に新宮下公園整備計画をめぐる条例案を再上程するとのことであるが、判決によりその違法性を下されたナイキ化計画の反省もなく計画を進めるなら、渋谷区は行政として司法判断を黙殺しているといっても過言ではない。
 
 現在、宮下公園下の遊歩道にはテント生活者が約20名居住している。渋谷区は長谷部区長を先頭に有識者を含め「自立支援プロジェクト」を立ち上げて検討中としている。このプロジェクトは、新宮下公園整備計画と同時進行で行われていることから、宮下公園のテント生活者対策であることは想像に難くない。桑原前区長の野宿者への排除・敵視政策によって宮下公園以外にも様々な場所で野宿者が排除され、渋谷区役所の地下駐車場で長年続けられてきた炊事も妨害された。排除とは本件のような直接強制のことのみをさすのではなく、本人の望まない施設収容もさす。「ホームレス対策」をもって「ホームレス排除」を実現させることはあってはならない。
 
 渋谷区の新宮下公園整備計画や自立支援プロジェクトは、ナイキ化計画を誤りとして真に総括したものとは到底思えず、根本的に見直されなければならない。渋谷区がナイキ化計画の反省の上に立つというのなら、まずもって、本件の控訴を取り下げ、裁判社が排除の手法について違法性を肯認した当事者に対して謝罪すべきである。
                                                                          以上

宮下公園国賠控訴答弁書

渋谷区の宮下公園国賠控訴に対して非控訴人(1審原告側)の控訴答弁書です。被控訴人の氏名など伏せ字にしています。

平成27年(ネ)第2104号
被控訴人 ●●●●
控訴人   渋谷区

控訴答弁書

2015年8月20日

東京高等裁判所第2民事部 御中

被控訴人訴訟代理人 弁護士 小島 延夫 代
              弁護士 山本 志都 代
              弁護士 戸舘 圭之 印

控訴の趣旨に対する答弁

1 本件控訴を棄却する
2 控訴費用は控訴人の負担とする
との裁判を求める。

控訴理由に対する反論

第1 はじめに

1 原判決の意義
 原判決は、控訴人が行った宮下公園ナイキ化計画に伴う一連の手続についての違法性を明確に指摘した上で被控訴人●●に対する強制排除、暴力行為を法が禁止している直接強制に当たると認定し、国賠法上違法な行為と断じた。
 原判決が、控訴人による不法行為を認定し損害賠償請求を一部ではあるが認容した点は積極的に評価されるべきであり、この点に関する控訴人の主張は以下に述べるとおり理由がなく速やかに棄却されるべきである。

2 控訴人渋谷区長長谷部新区長がうちだしているホームレス施策
 原判決後、新たに渋谷区長に就任した長谷部健区長は、区長就任以前は渋谷区議会議員であったが、本件で問題となっている宮下公園ナイキ化計画を提案し推進していた張本人でもある(原審で、原告らは同人を証人として申請していた)。
 その長谷部区長は、一方では、いわゆるLGBTとよばれる性的マイノリティの同性パートナー関係について公的な証明書を発行するというパートナーシップ条例の制定を前区長(桑原区長)とともに推進しながら、本件訴訟でも問題となっている野宿者(ホームレス状態にある人々)の公園からの排除などの人権侵害行為を推進していたことから、区長選の前後を通じ各方面から「同じマイノリティであるのに、ホームレスだけは差別し排除するのか。」「ダブルスタンダードではないのか」などとの批判があった。
 これを受けて、長谷部区長は、本年6月に「渋谷区ホームレス支援プロジェクト事業に係る意見交換会」なるものを実施し、有識者ら(この有識者らには他区のいわゆる生活困窮者支援団体の役員らも参加しているが、一審原告のじれんなどをはじめとする渋谷区内で活動している者は参加していない。)を集めて意見交換を実施している(かかるプロジェクトはその後「アイ リブ シブヤ」プロジェクトと名付けられている。)。
3 本件控訴を取り下げ、一審原告らに謝罪をすべきである
 このように控訴人渋谷区は、長谷部新区長の下、対外的には、野宿者、ホームレス状態にある人々を「排除」していないなどと言明し、人権に配慮したかのような施策を「ホームレス支援」として行っているようである。
 しかしながら、控訴人が長谷部新区長の下、本当に、野宿者の人権を尊重し、野宿者を排除しない政策を実行するのであれば、まず行うべきは、原審が認定したとおり、違法な直接強制により公園から野宿者を排除した行為を真摯に反省し、被害者らに謝罪を行うことである。本件について控訴し、それを維持していること自体が、控訴人の野宿者に対する姿勢にいささかも変更のないことを示している。

第2 被控訴人●●に対する違法な強制排除、実力行使(直接強制)について

1 控訴人(渋谷区)の主張について
 控訴人は、原判決が、被告職員らが被控訴人●●に対して行為を「直接強制」であると評価したこと自体が誤りであり、「被控訴人の安全確保のためには『担ぎ上げ』もやむを得なかった、それまでの行為態様等を考慮していない点において、事実誤認がある。」などど主張している。

2 被控訴人の行為の違法性は明らか
 しかしながら、原判決は、被告訴人の被った強制排除の際の暴力行為、傷害行為について過小評価している部分はあるものの、控訴人が不法行為を行ったという点については何らの事実誤認はなく、控訴人の主張は失当である。
 控訴人は、被控訴人の「安全確保のため」であったと強弁するが、映像証拠の画面をつぶさに見ても、控訴人らは抵抗する被控訴人を無理やりに公園外に排除したことは明らかであり「安全確保」などといった被控訴人に配慮した形跡は一切みられない。控訴人が真に被控訴人の安全を考えていたのであれば、そもそも本件強制排除行為を行わなければよかっただけの話である。
 原判決は、本件当日の一連の経過を控訴人渋谷区が訴訟の終盤に至ってようやく提出した映像証拠(乙74、乙75、甲89)等の客観証拠から詳細に事実認定した上で、「しかし、その後被告は、原告●●の意に反し、原告●●を無理やり担ぎ上げて宮下公園から退去させており、これは退去命令を直接強制したと評価するほかなく、国家賠償法上違法であると認められる。」と判示しているのであり、控訴人がいうところの「それまでの行為態様等」も当然踏まえた上で結論を導き出している。そこに何らの事実誤認はない。

3 行為が短時間であったとの控訴人の主張について
 控訴人は「担ぎ上げ」が「僅か約23秒間」であったなどと主張し、自らの行為を正当化しようとしている。しかし、本件において問われるべきは、控訴人ら職員が被控訴人●●のもとを訪れてから公園外に強制的に排除するまでの一連の行為であり、「担ぎ上げ」た一部分のみを切り取って事案を評価するのは本来適切ではない。
 映像証拠(乙74、乙75、甲89)をみれば明らかであるが、控訴人職員らは、複数名で執拗に被控訴人●●を囲い込み、嫌がる同人を暴力的に排除しているのであって、本来であれば、係る一連の行為全体が違法な自力救済ないし直接強制として国賠法上の違法が問われるべきである。
 したがって、「担ぎ上げ」が「僅か約23秒間」であったことは控訴人の責任を否定する理由にはなりえない。そもそも、原判決は、一審原告●●が警備員4名に担ぎ上げられて強制的に退去されされた行為について「その時間は短」かったしても現行法上許されない直接強制に当たり国賠法上違法になると判断しているである。原判決な、損害額の認定において「その時間は短」いという事情を一審原告主張の精神的損害額の減額の根拠としているのであり(原判決39頁参照)、時間が短かった事実を控訴人の行為を正当化する根拠にはしていない。

4 現行法は「直接強制」を許容していない。
 原判決は、被告職員の被控訴人に対する行為は、法律上禁止されている「直接強制」(義務者が行政上の履行をしないときに、権利者たる行政主体が、義務者の身体又は財産に直接力を行使して、義務の履行があった状態を実現するもの)に当たると認定している。
 現憲法下における行政法体系上、法令に根拠規定があるごく僅かな例外(学校施設の確保の関する政令21条、新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法3条8項)を除いて、直接強制は禁止されている。
 これは戦前の大日本帝国憲法下における行政執行法5条3項では、直接強制が明文で認められており、かかる規定を根拠に人権蹂躙、人権侵害が横行したことの反省に基づくものである。
 本件において、控訴人は、法令の根拠もなく、直接強制を行ったのであるから、控訴人渋谷区の人権無視の姿勢は顕著であり、かかる行為が国賠法上違法の評価を受けると認定した原判決の判断は極めて妥当である。

第3 争点1-1及び1-2に対する控訴人の主張について

1 控訴の利益がない
 控訴人は、争点1-1及び1-2に対して、自らの主張を述べている。しかし、控訴人は、これらの争点について控訴の利益を有しておらず、これらの点に対する控訴人の控訴は不適法として却下されるべきである。
 そもそも、控訴人は、第一審判決に対して不服を有しているのでなければ控訴できない。そして、この不服の有無は既判力の及ぶ範囲を基準として判断される。なぜなら、裁判所が与えた権利保護の内容は、裁判が確定した場合に生じる既判力の内容から明らかになるものであり、既判力は裁判の中心的な効力だからである。よって、既判力の生じない判決理由中の判断については、上訴を提起してその変更を求めることはできない(最判昭和31年4月3日民集10巻4号297頁)。
 原審は本件計画の違法性を争点1とし、その中に、本件契約締結が地方自治法96条1項9号「負担付きの寄付または贈与を受けること」にあたるか(争点1-1)、地方自治体の行う契約は「契約」にあたるか(争点1-2)という争点を整理している。原審はこれらについて、それぞれあたるという判断を示し、結論として本件契約締結についての違法性を肯認した。しかし、原審は、一方で、本件契約の違法性は本件代執行に継承されないとすることで、一審原告らの損害賠償請求を斥けている(被控訴人●●は4名に担ぎあげられて強制的に退去させられたことによる慰謝料が別途認められた)。つまり、争点1についての原審の判断は判決理由中の判断であり、原審による既判力が生じている給付義務の存在には関係しないのだから、この点について、控訴人は控訴の利益を有しないのである。

2 時機に遅れた攻撃防御方法である
 被控訴人は、これらについて、当審において新たな主張を行い、これが「原告の地自法違反に関する主張(『本件契約の違法が本件計画の一連の実施過程の違法性を根拠付ける』)を整理しきれないまま、原審が進行したから」時機に遅れた攻撃防御方法にあたらない、と、裁判所に責任を転嫁している。
 しかし、被控訴人らの主張は、まさに時機に遅れた攻撃防御方法にあたる。争点1については、原審で当初から原告が主張しており、平成23年9月2日付の原審被告準備書面(1)でも反論されている。一審被告は、同日の口頭弁論期日で「現時点で出すべき主張は出した」と述べている。2012年3月9日の第5回口頭弁論期日では、裁判所から一審被告に対し、地方自治法96条1項9号について一審原告らの主張に対する反論を準備するよう、指示され、平成24年5月11日付原審被告準備書面(3)では一審被告は主張を整理している。このように一審被告は争点1(1-1及び1-2)に対して、主張立証すべき機会を十分に与えられていたにもかかわらず、それを怠っていたのである。

3 本件契約は地自法96条1項9号に違反する
 被控訴人は、本件契約は、ナイキが控訴人に対して毎年度1700万円を支払うことになっているから「賃貸借契約類似の無体財産権に係る有償双務契約である」として、「負担附きの寄付又は贈与を受けること」に該当しないと主張する。
 しかし、原審も当然に毎年度1700万円を支払う契約内容になっていることを指摘した上で、被告がその対価として、一ネーミングライツライツを付与をすることを承認する義務やイベントの主催者等に対して通称名を使用することを義務づける義務等を負うとしていることをもって、これを義務が「負担」にあたると判断しているのである。
 控訴人も「寄付又は贈与」として取り扱い、裁判においてもそのように主張してきた契約について、違法性が問題になれるや「転貸借契約類似」の契約として取り扱うと主張を変更すること自体が、本件契約が杜撰に、財産負担に関する真剣な検討がされないまま、本件契約が締結されたことの証左である。また、控訴人は、控訴理由書において、毎年1700万円の負担と公園の整備というナイキの負う義務と控訴人の負う義務とが「対価的均衡の関係にある」、あるいは、負担が受贈者の受ける贈与の価値より小さくない旨と主張しているが、その根拠は一切示されていないのであって、そのような主張は失当である。
 本件契約は、「寄付又は贈与を受ける際に、反対給付的な意味において、普通地方公共団体の負担を伴う一定の条件が付され、その条件に基づく義務を履行しない場合は、当該寄付又は贈与が解除される」(乙51)性格のものである以上、原審の判断は正当である。

4 本件契約は地自法234条2項に違反する
 控訴人は、本件契約の内容、性質、目的など諸般の事情から随意契約とすることが認められると主張する。そこであげられている要素は、ナイキというブランドや知名度を活用することが本件契約の目的とされていること、選定委員会を設置したことの2点である。しかし、控訴人の主張は破綻している。
 本件契約締結の前に、ナイキというブランドや知名度を活用することが本件契約の目的とされていたのであれば、それは「選定委員会」の設置や対抗馬としてのFidoの存在が茶番劇であることを自白するのと同じである。
 原審の最終準備書面で詳述したが、控訴人は、2008年2月にナイキを含む2社からの提案を受けた後、同月25日、「渋谷区立宮下公園施設ネーミングライツ選定委員会要綱」を定め、同日中に施行、委員会を同日中に召集し、6名(うち3名は渋谷区役所の部長職)で開催した。そして、ネーミングライツについて公募もせずに、秘密裏に提案があった2社だけを選定の対象として検討を行った。上記委員会が設置されたこと、またその審査結果については、公開されず、議会での報告もなく、都市環境委員会委員である渋谷区議会議員も、翌2009年6月になって、初めてこのような委員会が設置されていたことを知らされている。このような「選定委員会」による選定が競争原理を取り入れたものでなく、一片の公正性も認められないものであることは指摘するまでもない。

第4 結語

したがって、控訴人が主張する部分について、原審判決の事実認定及び判断の誤りは認められず、その範囲において原審判決は相当であるから、本件控訴は棄却されるべきである。

以上

宮下公園国賠上申書

宮下公園国賠で渋谷区長が桑原敏武氏から長谷部健氏に替わったことに関して、上申書が提出されました。被告人の氏名は伏せ字にしました。

平成27年(ネ)第2104号 損害賠償控訴事件
控訴人(第一審被告) 渋谷区
被控訴人(第一審原告)●●●●

                                      上申書

                                                                  平成27年6月12日

東京高等裁判所第2民事部御中

                                                        控訴人指定代理人 後藤健志(印)

 頭書事件について、平成27年4月27日付けで、下記のとおり、控訴人代表者に変更がありましたので、下記のとおり上申いたします。

                                        記

                                   新 渋谷区長 長谷部 健
                                   旧 同      桑原 敏武
プロフィール

Author:よもやま話編集委員会
FC2ブログへようこそ!

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
FC2ブログランキング

FC2 Blog Ranking

リンク
検索フォーム
フリーエリア
フリーエリア
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。