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【参考】写真撮影と追い出しとの関係は?

2008年10月22日の都市環境委員会での小澤公園課長の発言を引用します。

(引用開始)私たちが把握しているのは、現状25名の方がテントで生活をしております。これにつきましては、不法に占用されているという認識を持っております。しかしながら、人権上の配慮から強制的な排除は行わず、福祉制度への移行や自立支援の取り組みによって、皆様の理解を得ていきたいというふうに考えております。(引用終了)

いつの時点かが分かりにくいですが、2008年の10月ごろには宮下公園にホームレスが25名いたことが分かります。その人々に対して、強制的な排除は行わず、福祉制度への移行や自立支援の取組を行いたいと渋谷区は言っています。

本当ならば大変すばらしい!しかし実際はどうだったのか、よく分かりません。

2008年11月13日に渋谷警察署の警察官が、渋谷駅周辺や宮下公園のホームレスに対して、写真撮影や、指紋採取をしたという事件が起きました。そのことに関しての抗議文を引用します。

【緊急抗議声明】
2008年11月15日
去る11月13目、警視庁渋谷警察署の警察官が、渋谷駅周辺や区立宮下公園の野宿者に対し、写真掘影、指紋採取を強行した。渋谷署による野宿者への極めて差別的なプライバシー侵害、 人権蹂躙行為について、怒りをもって抗議する。
当日、午後2時頃、2名の制服渋谷署員が、宮下公園のテントを一軒、一軒回り、そこで居住する野宿者に 「救急車に運ばれた時、名前がわからないと困るから」、「追い出しとは関係ないから」と話しかけ、氏名、本籍地などを聴取し、さらには写真を報影、指救を採取した。テントに居合わせた野宿者のほとんどが応じさせられた。同時間、渋谷駅前や国道246号沿い駅ガードの野宿者も渋谷署員により写真、指紋を取られた。
渋谷署員は一応任意という体裁をとったというが、突然警察官に囲まれ、「協力」を求められればなかなか、拒否はできず、強制に等しい。この間の政策的な治安管理強化の嵐の中で、日常的に警察官による職務質問や交番への連行で荷物や身体の捜索を強要されている野宿者にしてみればなおさらである。そもそも今回のような警察の情報収集活動は何の法的根拠もない。同じ理由で警察がアパートや持ち家など「家のある」人から写真、指救を取ることはありえず、「家のない」野宿者だけを対象にした極めて差別的、恣意的なプライバシーの侵害である。絶対に許すことはできない。
かって野宿者を「犯罪予備軍」とした警察による写真撮影、指紋採取が横行していた。しかし度重なる当事者や支援団体からの抗議と重大な人権侵害にあたるとの社会的な批判により、職質や同行の強制は依然としてあるものの、写真撮影や指紋採取までは目立ってなかったし、渋谷でもここ最近はなかった。この時期、渋谷においてl旧態依然とした人権蹂躙行為を強行したことは、野宿者=「犯罪を犯すおそれのある者」とする警察権力の差別的治安対策が根強く踏襲されていることを示すとともに、この1年来、渋谷で吹き荒れている野宿者に対する追い出し・排除の動きと決して無関係ではない。
昨年10月、渋谷駅国道246号沿いガード下の住民団体による追い出し策動、12月、渋谷駅地下の東急電鉄による殺人的追い出し、今年7月、渋谷駅周辺の東急百貨店の東急百貨店による洞爺湖「G8サミット」警備に便乗した追い出し。さらには今回の攻撃の直前、今まで落ち着いていた渋谷駅地下で響備員による追い出しの強化。いずれも当事者たちは生きるために粘り強く攻防を続けている。
そしてその最中の5月、官下公園のスポーツ用品大手企業ナイキによる大規模改修計画が発覚した。ナイキが数億かけてスケートボード場やオープンカフェなどを新設し、渋谷区に施設命名総料を払って「ナイキ公園」に名称を変更するという計画。これが実現されると宮下でテントを張っている約30名の野宿者の生存と生活の基盤が奪われ、 10年以上続けてきた渋谷の夏まつりや野宿者の命を守る越年闘争ができなくなる。さらに本来、公共の場所であるはずの公園をスポーツ愛好家だけしか利用できない「商業スペース」に転換することによって、一服したり食事したりする憩いの場や、長年、運動団体が集会やデモをするために利用してきた表現の場が喪失してしまう。私たちは区長と一部区議のトップダウンによるこの計画を阻止するため、様々な立場から計画に反対する有志とともに、 6月、「みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会」を結成。以降、7月、「G8サミット」北海道現地闘争と呼応するナイキ本社行動、8月、これで最後にしないための盛大な夏まつり、9月、10月、2波にわたる宮下公園での集会、デモなどを取り組んきた。これまでの闘いにより、ナイキも渋谷区も確実に追い詰められている。
今年6月の副都心線開通、4年後の東横線の地下化など渋谷駅を中心にした巨大な再開発計画が進められており、宮下公園の「ナイキ化」も含め、渋谷の野宿者に対する一連の追い出しは明らかに連動している。今回の渋谷署による攻撃もこれらの計画に 「邪魔な」渋谷の野宿者に対する圧力に他ならない。計画によって巨利をむさぼろうとする東急やナイキといった一部の大企業とそのおこぼれを預かろうとする渋谷区長とその取り巻き区議会議員、そしてそれらの意図に忠実な暴力装置としての渋谷署、まさに民一官一警一体となって野宿者を排除し、野垂れ死にを強制しているのだ。
私たちは今回の渋谷署による野宿者への写真撮影、指紋採取攻撃に対して厳重に抗議するとともに、違法かつ不当に収集した野宿者の個人情報の破棄と真準な謝罪を求める。そして野宿者の生存と生活を守り抜くため、渋谷や全都、全国の仲間とともに関し、続けることを宣言する。

追記
渋谷署による写真撮影、指紋採取攻撃は11月24日に至るまで続いた。任意であることを全く告げておらず、まさに強制的であった。中には前回取られたと言ったにもかかわらず、2度まで取られ手の皮膚が荒れてしまった野宿者もいる。またある野宿者は毅然と拒否したところ、「何か、悪いことしているのか」と恫喝をかけられた。さらに許しがたいことに宮下公園でテント生活をしていた台湾籍の野宿者が11月18日、渋谷署により「超過滞在」で速捕され、19日入管に移送された。その野宿者は77歳の高齢で近々手術が決まっていた。 渋谷署の人権どころか人命をも無視した一連の攻撃に抗議の声を!

■抗議先 警視庁渋谷警察署(連絡先省略)

渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合(のじれん)
対都行動を関う全都野宿労働者行動実行委員会 (全都実)
連絡先(省略)(引用終了)

渋谷区の資料によっても、野宿者支援団体の資料によっても、2008年10月頃には宮下公園に30名弱のホームレスがいたことが分かります。そのことにより、2008年2月6日のナイキジャパンが渋谷に出した『プロジェクトに関する弊社からのご提案・要望事項について』の中のコンセプトシートの2008年4月8日着工、7月8日建築完成、8月8日オープンが非現実的であり、非人道的であり、机上の空論であったのかが裏付けられました。

話を元に戻してもう一つの要望書です。

【要望書】渋谷警察署 署長殿
私たちは、去る2008年11月26日、渋谷警察署に対して、渋谷警察署が野宿生活者に対して行なっている職務質問、 特に野宿生活者の写真撮影、指紋採取などの個人情報収集活動について、この行為が法的根拠のないものであり、任意とは言い難い状況で強制的に行われていることについて抗議し、即時中止するよう要請した。
このたびの野宿生活者の写真撮影や指紋採取などの個人情報収集活動について、渋谷警察署が提示した法的根拠(刑事訴訟法第229条、検視規則第1条、死体取扱規則第l条)は、いずれも死体に関する法律であり、生きている人を対象にした今回の行為に対する法的根拠にはなり得ない。
しかも、野宿生活者に向かっての 「凍死するかも知れないから」「死んだ時のために」という発言や、拒否する権利を有することを告知しないままの写真撮影や指紋採取、拒否を認めない強制的な職務質問などが繰り返し行われており、このような行為は野宿生活者に対する偏見と差別に基づく著しい人権侵書であると言える。これは、人権を守るべき立場にある響察署、警察官にあるまじき違憲行為であり、許し難いものである。
私たちは、渋谷警察署による強制的な職務質問および写真撮影、指紋採取等個人情報収集活動に再度強く抗議し、 次の3点を要求する。

1. この行為が違意であり人権侵書であること、およびこの行為の指揮監督責任を認め、人権を侵害された人々に謝罪すること。
2. 野宿生活者に対する強制的な職務質問および写真撮影、指紋採取などの個人情報収集活動を即時申止し、二度と行わないこと。
3. 撮影した写真、採取した指紋などの個人情報・記録を、即時本人に返すこと。
2008年l2月18日
聖公会・渋谷給食活動グループ(日本聖公会東京教区正義と平和協議会加入団体)
以上(引用終了)

確かに、ホームレスに対して、写真撮影や指紋採取を行ったのは渋谷警察署であり、渋谷区ではありません。

そうであっても渋谷警察署のやったことは正当な手続きに基づく正当な行為ではなく、ホームレス蔑視に基づく不当な行為と思われます。

2008年9月30日の渋谷区議会で桑原区長は以下のように発言しました。

(引用開始)事業終了後も、渋谷区では引き続き定期的に福祉保健部と土木部が連携いたしまして、巡回相談等を行っているところでございます。(引用終了)

宮下公園にいるホームレスも写真撮影や指紋採取の行為の対象になった以上、まさに巡回相談の対象にあたるべき事例だと思いますが、渋谷区は巡回相談をしたのでしょうか?しなかったとしたら行政に対する不信感を強めるだけだと思います。
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