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準備書面3

遅くなりましたが、原告の個人名を隠した上で、2012年7月3日の準備書面3を公開します。
(以下引用)

平成23年(ワ)第13165号 損害賠償請求事件
原  告  ●●外3名
被  告  渋谷区

準備書面(3)

2012年7月3日

東京地方裁判所民事第39部合議B係  御 中

原告ら訴訟代理人
弁護士  小 島 延 夫
弁護士  山 本 志 都
弁護士  戸 舘 圭 之

平成24年5月31日付け「準備書面(3)」に対して必要な範囲で認否、反論をし、あわせて原告の主張を補充する。

第1 乙58号証について

 1 被告証拠説明書(5)における説明について
被告は、平成24年5月31日付け「準備書面(3)」11頁において「また、平成22年8月31日に渋谷区公告第149号(乙第9号証)を上記掲示場に掲示したことについての決裁文書は、乙第58号証のとおりである。」と主張した上、前回の口頭弁論期日において「乙第9号証を渋谷区役所庁舎前の掲示場に掲示したことについての決裁文書について」との立証趣旨で平成22年8月31日付け「決裁文書(区立宮下公園の違法占有物について)(抜粋)」(乙58号証)を提出した(証拠説明書(4))。

 同文書は「(抜粋)」とされており、文書の記載上も本来記載があるはずである当該公告を直接対象者に示すことなく区役所内の掲示場に掲示する旨の判断がなされた決裁文書が示されていなかった。そこで、原告は、前回口頭弁論期日において、乙58号証の抜粋されていない文書全部を提出するよう求め、次回までに被告から当該文書が提出されることが約束された。

 ところが、被告は平成24年5月22日付け証拠説明書(5)において「※なお、乙58は抜粋として提出したが、その後の調査により、既に提出したものが全てであることが判明したため、乙58を追完するものはない。」と述べ、原告が要求している決裁文書の提出を拒絶した。

 しかし、被告は、一度は「抜粋」と標記して証拠提出しておきながら、「その後の調査により、既に提出したものが全てであることが判明した」などと述べているが、そもそも当初提出した際に何故「抜粋」であると証拠説明しているのか不可解であると言わざるを得ない。ある文書を「抜粋」であるとして証拠提出する場合、抜粋する前の文書が存在することが当然の前提である。抜粋する前の文書が存在するからこそ、その一部のみを「抜粋」して提出するという行為がはじめて意味を持つことになる。それが「抜粋」という行為の自然な意味である。

 被告において、乙58号証は「抜粋」であると説明している以上、当該説明が虚偽でない限り、抜粋前の文書が存在しているはずである。被告は、かかる文書の存在を明らかにしなければならない。

 2 求釈明
被告は、乙58号証を書証として提出する際に、いかなる文書を「抜粋」して提出したのか、当該抜粋前の文書を書証として提出されたい。

被告において、乙58号証として提出した文書が「全て」であると主張するのであれば、「平成22年8月31日に渋谷区公告第149号(乙第9号証)を上記掲示場に掲示したことについての決裁文書」(平成24年5月31日付け「準備書面(3)」11頁)は、作成されなかったものと理解してよいか。

第2 地方自治法96条1項9号違反に関する被告の補充主張について

 1 被告の主張
  被告は、「本件基本協定の締結が地方自治法96条1項9号に違法しないこと(補充)」において、「被告がナイキジャパンにネーミングライツを付与することを承認しないこと」を「解除条件」(民法127条2項)と解した上で、「解除条件が既成条件であるときは、その法律行為は無条件とされるところ(民法131条2項)」、本件基本協定書においては、「既に被告はナイキジャパンに対しネーミングライツの付与の承認をしているから」無条件の契約であることを理由に「本件基本協定書においては、ナイキジャパンから被告への公園施設の引渡しの際に、『反対給付的な意味において、地方公共団体の負担を伴う一定の条件』は付されておらず、本件基本協定は地方自治法96条1項9号の『負担付きの寄附又は贈与』に該当しない。」と結論づけている。

 2 被告の主張の破綻
  しかし、被告の主張は、地方自治法96条1項9号の解釈として誤りであるというほかない。
  地方自治法96条1項9号の「負担付きの寄附又は贈与」の説明にあたっていわれるところの、「負担を伴う一定の条件」(乙51号証)という場合の「条件」は、法律行為の効力要件である条件を意味するものではない。
  そもそも、「条件」とは、「法律行為の効力の発生または消滅を将来の不確実な事実の成否にかからしめる附款である。」(我妻栄「新訂民法総則」407頁)。

  乙51号証の注釈における「寄附又は贈与を受ける際に、反対給付的な意味において、普通地方公共団体の負担を伴う一定の条件が付され、その条件に基づく義務を履行しない場合は、当該寄附又は贈与が解除されるようなものをいう。」との解説の記載からも、寄附又は贈与を受ける際に地方公共団体が負う負担が一定の対価的関係(反対給付的な関係)にあるかが問題にされているのであって、ここでいう「条件」が法律行為の停止条件、解除条件という意味で用いられていないことは、明らかである(日常用語としての「条件」は、物事を決定したり約束したりするときに、前提あるいは制約となる事柄という意味で用いられているが、上記注釈における「条件」は日常用語的な意味で用いられていることは文理上明らかである。)。

  もし被告の主張が通用するのであれば、地方公共団体が負担を伴う一定の条件を伴った寄附又は贈与を受ける契約を締結するにあたって、当該「条件」をすでに成就させさえすれば、地方自治法96条1項9号の適用を免れ、議会による議決事項とすることを回避することが可能となってしまう(「寄附又は贈与」と「負担」を時期的に分離することで同条項の適用を回避することが可能となってしまう。)。このような解釈がまかり通るのであれば、同条項の趣旨は完全に没却されてしまう。

  また、「反対給付的な意味」とは、寄附又は贈与との対価的な関係にあることを意味し、履行にあたって同時履行ないし引換え給付の関係にあることを意味しない(反対給付であるかという問題と先履行か同時履行かの問題は別問題、別概念である。)。被告の主張は、「反対給付」という概念を「同時履行」ないし「引換え給付」と混同している。

  被告の主張は、地方自治法96条1項9号の解釈に「条件」という文言があることに形式的に反応し、民法で定める法律行為の条件を意味するものと誤解した上で法律論として全く成り立ち得ない「解釈」らしきものを展開しているにすぎない。

  なお、被告と株式会社ナイキジャパンとの間で締結された契約が地方自治法96条1項9号の「負担付きの寄附又は贈与」に該当し議会の議決事項となることは、原告ら2011年11月16日付け準備書面(1)20頁以下で詳細に主張したところであるのでここでは繰り返さない。
以 上

(引用終了)

最後に一言。原告の主張は2点あります。2番目の宮下公園ネーミングライツが地方自治法96条1項9号の「負担付きの寄附又は贈与」に該当するのかという補充意見はともかく、最初の乙58号証を巡っての議論は被告渋谷区が記載をちゃんとするか証拠をきちんと提出しさえすれば、する必要がなかったと思います。
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